― チェンバレン嬢と ―
[ 平和であればいい。
叶うならばそれが続くといい。
願うことは誰しも等しく平等だけれど、
願いは護る者がいなければ叶わない。
国を守る役目とはそういうものだと、
平和な時勢に警鐘を鳴らすような言葉を
直向きに聞き届けてくれた彼女は、
きっと根から真面目な性質なのだろう。>>77
巫山戯ているようにも見えなかった。 ]
…通りでチェンバレン中佐に似た顔を見なかった訳だ。
てっきり、ご子息も軍属になると思っていたからねえ。
[ 守れるのは自分たちだけだと彼女は言う。
それでは守るべきものがなくなってしまったら?
一か月後に迫る世継ぎの問題を出して、
尋ねてみるのも悪くはないと思えたけれど、
誰が聞いているとも知れない街角では聊か浅慮。 ]