― マーチェス平原/辺境伯side ―[後退するアルブレヒトを敵兵が追う。それに対し正規兵が立ちはだかり、アルブレヒトは更に戦線を下がる。幾度かそれを繰り返した時、一際勢いをつけた一団が側面から正規兵を穿ってきた>>119。若い声がアルブレヒトの名を叫ぶ>>120。折り曲げていた身を起こせば、兵達の間を抜けて面影残る若者が馬を駆り迫ってきた]「──… (………あぁ)」[皺の増えた眼を眩しげに細める。懐かしげな音は心の裡に仕舞われた]