――拠点南の森・補給路付近――
[マガジンの先頭に装填されているのは、金属を粉状にして薬莢に押し込めた、いわゆるフランジブル弾。人の肉を貫く程度の力は持つが、武器や石などに当たれば粉々になる程度の強度の弾だ。
……続いて、二発の実包。威力があるのは、それだけとも言える]
(残りはゴム弾、か。至近距離ならば殺傷力もあるだろうが)
――……なんにしても、腕の問題だな。
[思わずぼそりと呟く。
間一髪かわせたとはいえ、疾駆する馬の鼻先に横面から魔法弾を打ち込めるだけの腕の狙撃手と、どれだけ練度を上げてもそこそこの命中精度しか持たない己。
至近距離に持ち込めるのなら、寧ろ剣を以って戦う方が、状況は有利だろう。]