――マレンマ!![走り去っていくマレンマの背中を守るように薄桃色の雪がはらはらと舞った。――おおかみになっても、駄目だった。強い力を得たって、家族を取り戻すことなんて出来やしない。この時は絶望に囚われて、小屋の入口で呆然と立ち尽くすしかできなかった]