― 疾風の精霊の領域 ―[変則的な動きが功を奏し、サーベルは星司の右足を捉えることに成功する>>129]…![自分でやっておきながら、散る紅に、一瞬案じる心が過るけれど、疾風は傷ひとつで止まるはずもない]うわっ![気を取られている隙などない、と思い知らされたのは、左右同時に上から斬り下ろされた翠の煌めきが目に入った瞬間のこと。>>130身を屈めた状態から後ろに下がる事は物理的に不可能で、左右どちらに逃げても逃げ切れない。前方に飛び込んでも恐らく星司の剣の方が速いだろう]