―――シルキー、殿?
[口調や目つきに違和感を感じたものであれば。
シルキーに呼びかけるこの声は、むしろ、平常のジークムントのそれに聞こえたかもしれない。
数秒、沈黙。固く握られた拳は、小刻みに震えている]
天使長シルキーよ……私を!
幾度も意見を対立させた私をも!!
忘れたとでも言うのか!?
[驚きと悲しみの念の滲んだ、若干震えた声でそう叫んだ。
結局彼は、何かに導かれるかのようにその場で腕を振り、シルキーに癒しの奇跡の力を振るう。
それが正しく作用するかは、彼にも分からないが。
……この時まだ、ゲルト(>>129)には気づいていない]