― 公国前進拠点・個人執務室 ―
[氷の乙女作戦より帰還後、
ディークは襲撃を受けた補給物資等の報告を取り纏めている。
机の上にはかわいらしい根付もマスコットもなく、
殺風景な机の上に蝋燭の明かりだけが揺れていた。
襲撃を受けた荷の状況は、芳しくない。
前線へ輸送されていた高性能火薬、弾丸。
火薬に火をつければ結果は自明のことであったし、
燃えてしまえば魔法なき国に消火を施す手もありはしない。
無論公国には他に補給隊のないではないが、
今回の襲撃による被害は、深刻なものと言えた]
…糧食も不足する、か。