― 王都陥落の日・クロスター王国 ―
カレル様ー?
ベネディクト君にもお仕事あるんですから、あんまり頻繁に引きずり回すのもどうかと思いますよ?
[郊外に乗馬に行く、それ自体は構わなかった。
ただ、自身の事業で忙しいであろう若き貿易商人を巻き込んで、というのは、さすがに眉が下がる。
彼が付き合ってくれるであろう事がわかるが故に、なんとも言えない申し訳なさを感じてしまうからだ。
だから、結局諫めを押し切った王子がベネディクトの執務室を訪ねた時>>118も、一歩、後ろに引いたいつもの立ち位置で済まなそうに苦笑して。
予想通りの結果に、やっぱり、と呟いた後、申し訳ない、という想いを込めて一礼するのだった]