[カサンドラを見送ったあと心を埋め尽くした虚無感の正体を、満たされることで思い知らされる。何も望まぬつもりで、何より得難いものを望んでしまっていたのだと。
抱きしめたその温もりに顔を埋め、ぽつり、言うべきか迷っていた決心を口にする。]
カサンドラさん…私を、ここへ連れてきてくれたこと
本当にありがとう…。
わたし、元の場所へ帰りますね。
[彼女はどんな表情をしているだろうか。身体を少し離して顔を上げ、今度は、迷いも偽りもない笑顔で]
カサンドラさん、大好きです。
どうか、幸せになって…。
[そう伝えた。]