― 境界線の向こう ―
[ 北部師団長率いる五騎の騎兵は、戻って来た調査隊の一行を、小川の対岸に整列して待ち構えていた。 ]
『陛下っ!よくぞ御無事でっっ!!』
[ 王の顔を見た途端、小川に飛び込みそうな勢いで前のめりになった、禿げ...もとい師団長の襟首を、先に小川を飛び越えた騎竜が、器用に銜えて引き戻す。 ]
『ム...こら、離せ!シン!メレディスっ!』
陛下に余計な手間をとらせないで下さい、師団長。それでなくてもお疲れなんですから。
[ はあ、と、溜息を漏らしながら騎竜師が告げた言葉に、漸く、動きが止まる。 ]