[本日二度目の応接室に入ると、先程挨拶も碌にできなかったバルタザールが居た(>>120)。
彼は自分に近づき、事もあろうに頭を下げて来た。]
……いいえ、悪いのは私ですから。頭を上げて下さい。
昨日は、いえ今日もありがとうございました……。
[力なく頭を振り、先程触れることの出来なかったユーリエの遺体にそっと触れ、ハンカチを取った。
外傷は怪我の具合から考えると少なく、綺麗な状態のままだったのは不幸中の幸いだろうか。
涙を必死にこらえながら、冷たくなった彼女の頬や髪、腕をそっと撫でる。]
ごめんね……ごめんね……。
[下を向いたまま、一言ぼそっと呟いた。
彼女の細く冷たい腕に出来ていた傷の上に、自分のハンカチを巻いて。]