― 三年前:ユリハルシラ領 ―
[願いは受け入れられ、男性はこの街についてを話してくれた。
生まれ来る子に話す心算で、という言葉は、我が子への愛が溢れているようだった]
[男性は一つ一つ、丁寧に説明を入れ紹介してくれた。
この街で起こることを楽しみ、人々の営みを愛し、住まう土地を誇りに思う姿。
紡がれる言葉の全てに愛おしさが表れていた]
[彼の”子”を通して向けられる言葉。
しかしその言葉はクリフの心にも深く染み入る。
これほどまでに愛されているならば、その”子”も、土地も、民も、幸せだろう、と]