[ 恐る恐る、頭へと手をやれば
指先に触れたのは、三角形に尖った獣の耳。
ふわふわした毛の生えたそれは
きちんと触れた感触もあって]
―――……獣の、耳?
[ これが瘴気病みと言うものだろうか。
彼の手が離れた後>>118裾をめくってみれば
そこには確かに獣の尻尾
指を見れば、爪の質も硬く鋭く変化している。
触れる際などに彼を傷つけないように
注意を払わなければ、と考えたところで]
そう、ですね
とりあえず戻りま――……
[ 傍へと寄ろうとして、無意識に手を振り上げていた。
彼へと振り下ろす寸前、とっさに後ろに飛びすさり]