[ 至近から放たれる矢を完全に避ける術は無い。男は身を躱す代わりに、先に受けていた矢を左腕から引き抜きながら、少女へ向かって真っすぐに滑空する ]ぐおおっ![ そして翡翠の光が右肩を貫くと同時に、咆哮の如き叫びと共に、血塗れた同じ矢を、彼女の弓引く腕を狙って投げつける。当たるかどうかは意識の外。運良く掠りでもすれば毒の痛みはただ皮膚につくより大きいだろうが、それは運任せ、相手の体勢さえ崩れればそれで良かった* ]