[……先ほどの蔦といい、闇の剣の男に手も足も出なかった事といい……。
実に見苦しい戦いだ。
もし、こんなところを血親が見ていたらどう言うだろう。
……いや、きっと耳には入るだろうな。誰かの口伝えやら使い魔の報告やらで]
[そうしたら、彼はどうするだろうか。
無様だと酒肴にして嗤うだろうか。
それとも、他の偉大な吸血鬼の前で血子が見苦しく振舞ったことで、顔に泥を塗られたと怒るだろうか]
……。
[ふ、っと苦い笑みが浮かぶ。
童顔には似合わない……本来の年齢らしい、若さを失い未来を失い後は終わって行くだけの老人染みた諦めの笑み]