[ やがて皺になった手紙を投げ渡されると、やれやれと言いながら、指先で皺を伸ばして、丁寧に懐に収める>>0:84 ]
ストンプまでの足と護衛に巡洋艦2艦を預かります。それと石炭船を2艇。可能なら途中で全速航行も試しますから。
[ ストンプに帝国艦隊が押し寄せる可能性はそれなりに高い。戦艦で行くことが出来れば護りは固められるが、それではそもそも間に合わないかもしれない上に、高速艦の特性が生かされない可能性があったから、徹底して速度重視の策を取ることにした ]
では、タクマ・ナギ大佐、航行準備に…はい?荷物?
[ 真面目に敬礼しようとした所で、告げられた言葉に瞬いて、つまりはお土産かと思い至ると、男は小さく噴き出し、判りましたと頷いた。
ゲオルグの分厚い手が男の肩に置かれる。15年を経て若造だった頃よりは男もそれなりに貫禄がついた筈だが、まだこの手の力強さには適わない気がする、と、頭の中に羨望とも安堵ともつかぬ想いが一瞬過った。>>0:85 ]