人狼物語−薔薇の下国

497 堕天の服従試験


邪眼の怪物 クレメンス

[その天使は、真昼の全天を凝縮した蒼の瞳を持っていた。
 邪を覗き続けた我が深紅の瞳とは相反し、欲を知らず、悦を知らず、堕落を知らぬ蒼穹の色。>>54

 なるほど。と、魔界にて呟いて、男は彼に眼を付ける。
 薄く口元を笑みで飾り、覗き穴を作っていた輪を崩しながら。
 
 なにも、天使であれば何でも良いと云うほど悪食ではない。
 対価を支払えば魔界の商人に用意できぬものは無いだろう。
 永劫に存在する我が身には、其れなりの伝手もある。

 だが、あの天使は一匹だけだ。>>57

 果たして自ら狩猟に出るなど、何百年ぶりであろうか。
 生け捕りを前提とした狩りとは、もしや初めてかもしれない。
 その場で嬲り、食い潰す児戯も今は遠き昔。]

(131) 2018/03/19(Mon) 20:10:36

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