[ ──最後に銀羊号に乗ったのは、5年前。
当然乗船手続き等何もないまま、ただ「助けてくれ」と
何もかもを捨て、乗り込んだ時のこと。
直ぐに発見され、一命を取り留めたことが出来たのだが。
密航と同じ行為であるのは事実。
リハビリと監視を兼ね、暫くは船内の庇護下に置かれ
乗員のように手伝いをこなしていた。
勿論、身を救われた恩もある。
男も身を投げ出し所属の者として仕事をこなした。
そうしている間に3年が経過。
一旦故郷へ戻ることになり、銀羊号から離れることに。
「また来ることになるだろう」と告げて去ったのだが。
2年後、つまり現在。
想像以上も早く再び銀羊号へと乗船することになった。
今度は母星の調査員として、本来の任務を背負って。]