[遠回りにはなるが、行きがけにヤコブの農場に足を向ける。
墓参りには独りで行くつもりだったから、パメラの家に近いところで別れた方が良いだろうと考えたのだ。
農場にヤコブの姿はあっただろうか。
もし彼が不在でも、この時期にリゼットが姉たちの墓に詣でることをヤコブも知っていたから、花は用意されているはずだ。
わざわざ農場で花を買わなくても、パメラの家で花を育てるなり、
或いは神父に頼んで花壇を新たに作らせて貰うなりすれば良いのではと、問われたことがあったなら]
……わたしが育てた花じゃ、きっとお姉ちゃんは喜ばないから。
[眸を伏せ、そんなことを答えるだろう]