[森の木々が歌う声が好きで、夜に灯火のそばで静かに本を読む時間が好きで、ついつい誰かとのかかわりを疎かにしてしまう。だから、折に触れて皆と関わるように言ってくれる幼馴染のタクマには、ありがたいような、申し訳ないような、そんな気持ちを抱いていた。](タッくんとこのリンゴの木ぃ元気かのー、そいや、ローゼンさんちの傍の薔薇はちょっと弱っとるかな。後で診させてもらおーっと)[あんまり雨が降りすぎるとよくないのだが、と心配そうに窓の外を見つめた。]