旅人 ニコラス

ですがね、もし相手が他人を傷つけるような行動を取り始めたとしたら、ですよ。おれは全くためらいませんとまでは断言しませんが、自らの命をかけてでも止めます。

[具体的に何に対してどうするかまでは返答しない。だが決意は隠さずに、真っ直ぐ視線に乗せる。]

げぇむの中でおれが動かした人物がこう主張しました。
”罪を償わせることも救済”って。

秩序ある社会を乱し混乱させるような悪いことをしました。でもあなたは優しいから、私と親しい関係にあるから無条件で許します、これからも生きていて欲しい。なんて選べません。

何故ならおれにとっての良き隣人は、他の人にとってはそうではない。
一個人の努力ではどうしようもない本能に従って狂暴化し、破壊衝動を行う存在が、しかも全く未知の人物がそうだった場合の畏怖感恐怖感は、あのげぇむの中で嫌と言うほど実感しました。

だから最終的におれは、血の涙を流してでも止めます。罪を犯さないで欲しいと願いながら。