……。
[どこまでが本当か、そしてどこからが嘘なのか。
2日前の彼らと同じで、きっと彼も教えてくれないのだろうと。
もしかしたらそれは、一方的な理想を押し付けているだけかもしれないけども、ヴァルターが仲間を無碍に切り捨てるような人物だと思いたくなくて。]
そんなの……
出来る、訳……ないじゃないですか……。
[右の拳で再度壁を殴るけども、そこに勢いなどなく。
睨む瞳の輝きは、蝋燭が燃え尽きる前の、最期の煌きにも似ていると、男は思う。]
さよなら、しか、ないんでしょね……。
[わかりきったことなのに、取り残された子供のように、ぽつりと零す。]