人狼物語−薔薇の下国

297 吸血鬼の脱出ゲーム


碧眼 シルキー

[訪問者の男を横たえてやってからすぐだったか、バルコニーの入り口に見覚えのある人影を認めたのは。]

あら、またお客様だわ。また血を吸いに来たの?

[にこにこと問うが、
相手にその気がないことを悟れば肩の力を抜いて。]

リエヴル、書斎、……私にはわからないことばかりだけど。

[そう言って背後の兄を見やる。彼の反応はどうだったか。]

…そこに、出口がある可能性が高いのね。
なら、お伴しますわ。
身代わりになってやる義理はないけれど、ここからとっとと出たいのは私も同じだから。

…ああもし、最初の一人だけが合格になるのなら。
私は出られさえすればそれでいいから、「餞別」とやらはあなたに譲るわ。おにいさまは、どうかわからないけれど。そちら様で決めて頂戴な。

[もう一度兄のほうを見て、少女は大鴉の後をついて歩を進めた。
もし兄もついてくるというならば、その手をそっと握って。]*

(130) 2015/02/04(Wed) 22:57:31

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