[ヴァルターから求められるまま、握手をかわす。]
風花の村にはそんな伝説があるのですか。
分かりました。忠告感謝します。気をつけますね。
[こくりと頷いて、談話室をあとにする背中を見送った。
それからヨアヒムの書いたスケッチを二枚手にしてリーザの隣に腰を下ろす。]
これはヨアヒムが書いてくださった皆さんのスケッチです。お守り代わりに持っているといいと思いますよ。
[スケッチを畳んで、リーザの膝の上に置く。
先ほど握り締めた手の温かさを忘れないようにしようと強く心に近いながら。
だから、リーザの言葉に頷いた。]
分かっていますよ。
これからも、リーザは私の大切な家族です。ずっと見守っていますから、安心してくださいね。
[リーザが言わずに飲み込んだ言葉の続きをそんな言い方で締めくくって、静かに笑みを浮かべた。]