そうか。許す──…、が。少し待て。
あれらは侮ることは出来ぬ。
既に幾度も天に痛手を与えし者、
今のお前とて油断すれば、危うくもなろう。
[そうして差し出した掌の上には、
幾枚かの輝ける羽根が乗せられていた。
ただの天使の羽根ではない。それは大天使の羽根の輝き。]
これを受け取るが良い。
マレンマ・
汝に大天使ナタリエル・ネッセテリウル・テレイアの祝福を。
[マレンマが差し出された羽根を受け取れば、
それは黄金色をした数粒の宝石へと姿を変える。
それらをいとし子に預けて、大天使は地上を省みた。
遠く、人の子ら集いし街並みを。]