―― 医務室 ――
[医務室に着けば、何かを物色するような目でぐるりと辺りを見回す。
主の使いやすいよう整えられているであろう配置を見れば、どこに何があるのか、一目では分からなかった。
ああ、こりゃ、やろうとしてたら骨だったな。
他の者の耳には届くか届かないかの、小さな舌打ち。
整えられた空調の中、二種類の知った香りが微かに残るのを感じれば、
やはり彼らはここにいたようで――…]
そういや、ベルティルデ、見かけないが何処だ?
あんたと一緒にいると思ってたんだが……
確か、サロンにもいなかったよな。