『それはそれとして、皆様、お疲れでしょうから。
わたくしから、せめてもの贈り物をさせていただきますわね』
[笑顔のまま、水霊はゆるりと優美に腕を振る。
碧の光がふわりと灯り、それは風に乗ってゆるりと広がり両国の艦に降り注ぐ。
光に触れれば感じるのは疲れと傷を癒す水の力]
あー……ありがとう、だいぶ楽になった。
[告げる礼に合わせて雷竜もぐぁう、と唸りを上げる]
『いえいえ。
ああ、でも、わたくし生命は癒せても、船は直せませんので。
そちらは、皆様で何とかしてくださいませ?
修繕が終わりましたら参りましょう……『澱み』の集う場所へ』
[告げる水霊の言葉、その最後の部分は少しだけ、真面目な響きを帯びていた。*]