─廊下─
[スライム部屋を出た。
さっきの狼はもう居なかったし、ジェフロイが落ちた縦穴もやはり消えたままだった。
壁に背を預けて目を閉じ、しばし休息する]
[疲労や空腹は回復しないにしても、ごく遅いスピードで傷は塞がっていく。
それから改めて自分の格好を検分する。
首から肩口にかけての咬傷。左腕の火傷。
服はすでにどんな貧乏人もこれほどじゃないだろうというほどぼろぼろで、生っ白い素肌があちこち見えている。
アルビンは鏡に映らない性質を与えられたので、自分で自分を見る事は出来ないが、きっと目を覆いたくなる惨状だろう]