[道中での気がかりを呟いて視線を上げれば、辺りには鹿。それらを眺めていると、奈良県民の人々に怒られる様な事が思い浮かぶ] お肉……。[少し硬めの赤味の多い、食材としての鹿の味を思い出した。鮮度のいいうちは生でも食べられ、加工者の腕が良ければ獣臭さも感じず、火も通していないから肉質も柔らかい](香草焼きも美味しかったなぁ)[せんべいをねだる筈の鹿が、玲緒の不埒な思考を感じ取ってか何故か彼女の周りにだけ寄ってこない。見渡せば鹿はたくさんいるのに]