あっ、アカン。ずれた。
[急所を射止めるには至らなかったようだ。
心臓を少しずれたように見えた。]
肺か…。まぁええか。どうせ呼吸もでけへんなるわ。
[崩れ落ちる王の瞳と一瞬目が合って
心音が一気に響いた。
これは、高揚。
蜂起の、崩御の瞬間。
固い弓を引いた痺れるような感覚を弓手に味わいながら]
やっぱ異国の武器は使いづらいわ。
[そう言って遠くの方へ、その武器を放り投げる。
おそらくそれは近いうちに発見されるのであろう。
王の命を奪った武器。
それは奇しくもウェルシュ王子と国王が熱心に行っていた外交の成果
他国から貿易にてラメールに渡ってきたクロスボウに他ならなかった。]