―朝・シュビト郊外―
[陽光を受けて白銀の光を放つ甲冑に、木賊色の外套を身に着けた集団が動き回っている。
風を受けて王国騎士団の紋章の入った旗がはためき、従卒に毛並を整えられている馬は尻尾を揺らした。
馬が防具として着けているのは面甲のみで、それも騎士達の甲冑と同じ白銀に光っている。
騎士団の分隊は郊外のシュビトを見下ろす小高い丘に仮の天幕を張った。
少し離れた場所には地方の軍の軍営が見えたか。]
――皆、よく聞け。
[全身を甲冑に包んだ隊長は騎士達を集める。
男にしては高いその声は揺らぐ事なく朗々と響く。]