参ったね……。
二対一で勝てるはずなんて無いのに。
僕の命運もこれまで、ということかな。
[ 言葉とは裏腹に、意識とは関係なく
薄藍は静かに色を落とし、焔のような緋を宿す。
それでも緋はまだ薄く、薄藍の欠片は残っている。
それは無意識の間に発動した防衛本能。
ガルーの遺伝子が身を守る為、意識を奪う。
既に限界近くまで罅割れた心に、
一度は堕ちる寸前まで経験していた>>52。
更に死者の聲が良く響く地。
ミーネの手から流れ落ちる新鮮な血。
ナネッテに言葉尻を強くしていたのだって
僕自身がガルーだと認めたくないのもあった。
故に、彼女が言っていることは事実である。]