[レトを見送ったところへ、エルフの軍団長が挨拶に来る。
彼らは、ローランドとの義理を果たしたことを告げ、古竜の死に追悼の意を表した。
そして、本来なら今すぐ戻るところだが、竜への手向けに、この戦場の死者をエルフの流儀で弔おうと申し出る。
カレルがその方法を問うと、エルフの軍団長は袋から一握りの砂を取り出し、兵士の亡骸に撒くとエルフの言葉で呪文を唱えた。
すると、地面に草が生え、見る間に柔らかな苔が亡骸を覆い、小さな若木が伸びて来る。
「死者を大地に還し、浄化する。
竜もあの姿のまま、緑為す山になるだろう」
森になるならば、竜もゆっくりと眠れるだろうと、カレルは頷く。]