― 食堂 ―
[どうにも眠気が覚めていなかったらしいと、まぶたをこする。
おかげで、ありもしないものを見たなんて、
世迷いごとをつぶやきそうだ。
食堂にはもう集まらない者達。
そんなものまで見えはするんじゃないかと、
心の中で自分を笑う。
久しぶりに姿を確認できたニコラスの告白を聞きながら、>>103
誰もいない空間に、瞳をさまよわせた。]
死の選択ができるのは、人間だから
“殺してくれと”願うことだって、人であることの証のひとつだと、
そんなことを誰かに聞いた気がします
[祈るように、目を閉じてつぶやいた。*]