― 竜への誘い ―
[かつて太陽と天使であった竜は、今や何者でもないかのように魔王の目には映っている。
未分化の者。いずこにも属さぬもの。抗う者。可能性の芽。]
楽しまぬ生に、なんの意味がある?
我は我として、生を謳歌するために地の熱より生まれた。
おまえは、おまえたちは、なんのためにその姿を得たのだ?
己の生き様を全うするためであろう?
[赤児、と口にする竜首を笑って指さす。]
おまえたちが望んで頸木に繋がれることにもなれば、おまえたちの存在意義はあるまい。
[我も同じこと、と言うのと、配下にするつもりはない、というのを一言に]