[エレに、そう礼を言い、机の上に置かれたエレキギター>>6へと近づくと、試しに弦を弾いてみる。
ビィィン……と、張り詰めた弦から出る音が、鼓膜を震わせ、耳に心地よかった。]
あ、調整されてますね。
……弾いた跡もありますし。
[各弦がほぼ正確な音程を響かせ、指板に指紋の跡が残るギターに、そう呟いた。
そのギターを手に取って、4弦のベグを少しだけ巻いた。
そして、弦を弾く。
(……これで完璧。)
微妙にずれていたチューニングを調整し、その場に置いた。
ドロシーのものだと聞いたから、どうせ弾くなら……彼女に聞こえる場所で、と思ったからだ。
姿が見えない今、Nルームで弾くのがいいのかもしれない。
ギターを撫でて、待っててな、と言い、待たせていたサシャの元へと戻るだろう。
すみません、お待たせしましたと、同じ言葉を言いながら。**]