[激突の直前、トオルが見せた笑みがほんの少し胸を掠めた>>123。この馬鹿が。僕が気に入らないのなら、全部放ってひとりにしてくれたら良いんだ。そう思う感情も、トオルを認めたくない気持ちも確かにあるのに。紙に水を垂らした様に、余計な感情がじんわりと浮かんだ。雫ひとつで岩は穿たれる様にそよかぜで砂に還される様にともし火で地は脆くなる様に余計なものがあればその分大地は弱くなるから危険に晒すとつらくなる無くせばよりつらくなるならば僕ひとりでそれも全て守る方が心は落ち着くのに]