[ 前線の視界が盾で塞がれている合間に、ティルカンの騎馬隊が動いていた。ナネッテ隊の進路を防ぎそこねたマーティン軍団の先頭のさらに南側へと回り込もうという動きだ。それを見つつ、タイガは《氷雨》に二射目を命ずる。狙いは同じく、敵中央。ただ今度は、放たれる矢のいくつかには、飛距離と威力を犠牲にして、端切布に灰を包んだ小さなおまけがついていた。着弾の衝撃で目潰しの灰を撒き散らす仕掛けだ。 ]