[普段であればこちらから、どうしたのとか、何処へ行ったのとか、話しかけるのだが今日はそれもせず。彼から口を開くのなら―弟の話は船の話が多かったが―それを良く聞いてから。ずいぶん背も伸びてきたが、まだ自分よりは低い弟に視線を合わせながら自分よりもずっと細い肩に手を置いて。]