― 日が傾き始めた頃、宿のレストランで ―
やぁ、カレル殿、変わらず素晴らしい歌声と演奏ですね。すっかり楽しませていただきましたよ。
[…は楽器を片手に近付いてきたカレルを笑顔で迎えると、すっかり冷めた紅茶を飲み干し、友人との会話に花を咲かせた。話の途中でバタバタと階段を往復する友人を見送り、そして戻ってきたカレルの手にある書物に目を細める。]
これはこれは…、私がお願いしていた書物のみならず種子まで手に入れていただけるとは…。またこの実が収穫できる頃にこの村に立ち寄っていただければ、その際は料理して一緒に楽しみましょう。
[…はカレルがラヴィにも革袋から果物を取り出すのをニコニコと見守っていたが、その口から「魔術>>121」の言葉が出た瞬間、急に顔を険しくし勢いよく席を立った。]
魔術…!?カレル殿、そんな父なる神の定めし摂理に背く邪な術の力を借りるとは、なんということを…!