─現在・銀羊号─
[ 男は某国の調査員である。
とは言っても何を調べているのか、と問われれば
「調査先の様々な特色を調べている」とはぐらかす程度。
仕事柄、様々な航宙船には乗船経験がある。
銀羊号、と呼ばれるシルバーメリー号には
特に頻繁に乗船している。
之への乗船歴は悠に二桁を超えており、
一番最初に乗った時からは──百年は経過していない筈。]
久しぶりだね。スノウ。
また邪魔することになったよ。
[ 慣れ親しんだ道を歩くと、気分の良さそうな猫の姿>>34。
百年以上前から変わらぬ白く柔らかな毛並みへと微笑み、
挨拶を交わす。]