[承諾を受け取ると揶揄に苦笑を浮かべながらも荷に手を伸ばす。
荷を預けられる程、心は許してくれているのだろうと思えば、揶揄に揶揄を重ねることで態度を軟化させた。]
これでも軍人を目指すものです。
流石に貴方自身となると運べないでしょうが、
これくらいの荷物であれば。
[これくらい、と声にしたところで荷を見せるように軽く持ち上げて微笑う。
荷をテントへと移動させながら一通りの野営の準備が終わったことを確認して、
その間の指示に、はい。と短く畏まった返事を続けるが、狼の辺りで瞬いた。]
――この島、狼が居るんですか。
[それは思わずと漏れた声で、問を投げた訳ではないけれど、十分に聞こえる声だっただろう。]