ー第二エリア・通路ー
[プァ…とハーモニカの特徴的な最後の音が溶けるように消える。
思っていた以上に、良い音を出す。どこか懐かしさを感じる魅力的な音と、ピアノのようにどの音階も奏でるこの楽器。一息ついて、その身を撫でた。
そしてふと振り返ると、こちらを見ている男>>124 に、反射的に驚きの声が漏れた。
眼鏡を掛けた知的な雰囲気を持つ男。
すぐに、先程の演奏を聞いていたことを悟り、照れたように頭をかいた。]
…えっと、貴方は?
[そう問うてから、そういえば楽器屋付近で見かけたような、……そんな、朧げな記憶が蘇る。>>118 一瞬のことであったので、見間違いかもしれないが。]
[視線を落とした先には、手を覆う白い手袋。
手を保護する=ピアニストの発想は、自分が音楽を生業にしているからだろうか。
そんな自分の考えに少し笑って、彼が迷惑でなければ、名を名乗るだろう。]
いい星空ですね…。
[…と、当たり障りない会話から。]