― 翌春 ―[囁かれる言葉が終われば、男も花嫁の髪に接吻を落とす。 あの時と、結局は変わらない。 大切で、守りたい存在。 だれのためでもなく。 自身の、生きる証として、そこにいてほしいのだと。][ふわり、ひらり、白い花びらが舞うのを、男は花嫁の向こうにちらと*見た*。]