―メイン・サロン―
[エレに美味しかったと伝えると、よかったと微笑まれたので、こちらもニコリと返しておく。
どうやら、昨日は茶化したつもりだったが、心配されていたようで、その幾何ばかりかの安堵の視線には、ありがとうと内心で返しておくことにした。
ギターのことを尋ねると、おーい!と、出ていく寸前だったダーフィトに声を掛けてくれる。>>113
(あ、制服着てる……じゃあこれは、カークのかな?)
ダーフィトを見ながらそう思いつつ、『ドロシー』のものではないかとの返答>>114に、驚きで目を見開いた。
彼女も音楽を……と、胸にこみ上げるものに、蓋をするように、堪えるように、ぐぐっと眉を寄せる。
自分は何も……できなかったじゃないか、と。
「弾けるなら偶に触ってやってくれと」出て行ったダーフィトに、ありがとうと伝えたが……おそらく聞こえていないだろう。]
ありがとう、エレ。
助かりました。
お礼に、何かできることがあったら、何でもしますのでいつでも声を掛けてくださいね。