[吸われていく陶酔。強いものに圧し拉がれる被虐。反発と拒絶と同じくらい惹かれゆく自分を感じ、その自分にまた嫌悪する。力が欲しかった。血の親の暴虐を跳ね返す力が。友を守れるほどの力が。でも、あなたを殺して得る力など、欲しくなかった。失血と共に意識は混濁し、もがく手足から力が抜けていく。牙が離れるころには、ぐったりと項垂れていた。*]