―ヴァイスメーヴェ:甲板―
タクマさんっ……!
[>>89 緊張した面持ちで、甲板を抜ける。
汗で冷えた肌を、海風がひゅうと掠めていく。
タクマを始め、海軍の面々が険しい顔つきで、眼下の海に浮かぶ船を眺める。
ウェルシュもそれに倣い、ヘーゼルの双眸を細める。]
あれは……
[双眼鏡の類を持っていないため、誰が乗っているかなんてウェルシュには判断がつかない。
しかし、その船自体には見覚えがあった。
>>115 あれはいつのことだっただろうか。
古い商船を、ストンプで武装商船へと生まれ変えた双子星。
仕事には人一倍厳しい父も、皺だらけの顔を浮かべて喜んでいたと記憶している。]