『 我が友に捧ぐ。 』
[共に折り込まれていた紙片にはそう記されていた。
鈍く光を照り返す金属片の正体が釣り針の一部だと
知れたのはその時だ。
そして師が何を目的に船に乗ったのかも理解できてしまった。
恐らくは、自分のために別の星くんだりまで探しに行ったのだ。
嗚呼、大馬鹿だ。その為に自分が犠牲になるなんて。
師は、一般的に見れば酷く奇妙な人物だった。
騒ぎでも起きれば真っ先に疑われる。
それほどまでに変人ではあったが、
ダーフィトは彼のことが嫌いではなかった。
大馬鹿野郎だと何度口にしたか覚えてもいやしない。
整理がついたのはそれから大分後になってからだった。*]