― 対峙の刻 ―
[魔王率いる軍において、癒しの力は希少であった。
道化師が手に入れ育てた赤子。
非力ながら魔獣に教えを乞い魔王軍に献身する姿は、目を瞠るものがあった。
流れ者のエルフは、また違った視点で彼女>>78を見ていただろうか]
クク……そのしぶとさ、誰に教わったのであるかな?
[魔王軍から逃げ延びることも、その後旧知の者らと戦う道を選ぶことも、容易ではなかろう。
それを為したことへ、魔王は賞賛を向ける]
一時とは言え、そなたの胸に真の忠誠があったこと、我が記憶に留めておこう。
[しかしそれは手心を意味せぬことは、その眼光から伝わるか*]