[今、左手に転がしてる黒いキューブ。
これが今回配達する『荷物』だ。
目的地はチグリス。そこで開かれる会議に出席する、なんとかという御仁に届けると聞いている。]
…こんな小さい箱、ほんとに要るのか?
[手に収まるサイズの、せいぜい彼女へ送るアクセサリー収納くらいにしか使い道がなさそうな箱だ。
しかし、箱の中を勝手に開ける事は職務違反である。]
あれか?「おれ、この会議終わったらプロポーズするんだ…」的なやつか?
[なので、こんな風に詮索をするのが常である。]
…良いご身分だなぁおい
[ゴミ箱にでも捨ててやろうかとも思ったが、これも一応仕事だと思いとどまった]